「……何故だ。何故、こんなことに……」

彼、黒岩三郎は悩んでいた。
稀代の天才科学者(自称)、黒岩三郎のラボ。
やや手狭なその空間の中心には
人間一人なら楽に入れそうな
大型の培養ポッドがあった。

……のも、数時間前までの話。
今やそのご自慢のポッドは見るも無残に
破壊し尽くされ、ゴミ捨て場に
月・木に捨てられるようなガラクタの
集合体に成り果ててしまった。

培養ポッドで育てられていた
「それ」は……「玩具」であった。

その体は、大小数十もの
伸縮自在な性突起を持ち合わせ、
突起の先端に存在する擬似口腔では
女性の性感を高める
催淫物質を常時生成している。
独自の感情、性感をも有しており
射精も可能である。

無数の巨大な男性器が
組み合わさったようなグロテスクな姿は、
常人が見れば失神するか
失禁するかいずれかになっただろう。

「あんな化け物……街に野放しにしたら
……まずいよな……」

こともあろうに、「玩具」の
育ての親である彼はひょんなことから
培養ポッドもろとも研究所を破壊され
逃がしてしまったのであった。

黒岩はなんとか「玩具」を
見つけ出し、捕獲しようと、
彼の潜んでいそうな場所を
探すことにした……