■第一話〜ヘルメスの瞳〜
 花魁の『みず』移しを専門とする静馬は、漢方医の昆野直人から奇妙な仕事を依頼された。それは、『みず』の減った体内に他人の『みず』を補充するというもの。そもそも『みず』は減るモノではないのだが、直人の見立てでは、大須賀男爵の令嬢、咲子の容態が思わしく無いのは『みず』が減っているからだという  有り得ない症状に困惑しながらも、仕事を引き受けた静麻は大須賀邸である青龍館に向かった。  時を同じくして大須賀家には怪人猫面相の予告状が届けられていた。内容は「賢者の眼を頂戴に参上する」というもの。検事局の遠山検事は私立探偵の天宮夏来を伴って捜査に訪れるが、大須賀男爵に「賢者の眼なるものは我が手にはない」と告げられる  遠山検事は、警察による警護を渋る男爵から警官隊を入れない代わりに夏来と二人だけで館内を捜査する許可を取り付けるのだが…。

■第二話〜夜雀の鳴く夜〜
  真夜中、長屋に猫面相の気球が墜落して瓦礫の下敷きになった静麻は花魁の乙松と郭の若い衆三吉によって救出される。そして、乙松から彼女の妹分である真絢(まあや)が廓抜けをした事実を知らされる。
  住む場所を無くした静麻は、ひょんなことから私立探偵の夏来の事務所に居候することになる。  時を同じくして廓の馴染み客が相次いで急死する事態を不審に思った三吉は、漢方医の直人の助けを借りて調査を開始する。すると潜りの見世(みせ)「夜雀屋」の存在がちらつきはじめた。「夜雀屋」には死んだ花魁生き写しの花魁たちがいると言う。  静麻は、急死した死人の『みず』を通して、残された記憶から真絢の姿を見る……。

■第三話〜予言者の娘〜
私立探偵の夏来の事務所に届けられた手紙。差出人は希代の予言者の娘、大山田 楓であった。
手紙の内容は、何者かによって自分が学園の寄宿舎より拐かされる事を予知をしたという物騒なものだった。  夏来は遠山検事や居候の静麻たちと連れだって学園に向かうが、時既に遅く寄宿舎から楓の姿が忽然と消え去っていた。  楓の行方は……寄宿舎の部屋に残されたメモには楓の身体に絡み付く触手の様子が記されていた。

■第四話〜真夜中の鬼哭〜
帝都は串刺し魔の話題で持ちきりだった。
遺体を無惨なまで串刺しにする手口に女子供は勿論、男たちも夜の外出を控えるまでになっていた。
そんなある日、夏来の事務所を訪れたのは女優の矢澤鈴。彼女は「自分を鬼から守って欲しい」と依頼した。
依頼をうけた夏来は静麻を鈴の側に貼り付けることにするが…。
静麻は鬼から鈴を守り通すことが出来るのか?
そして鬼の仕業を連想させる串刺し魔の正体とは?


■第五話〜眠り姫の憂鬱〜
  楓は図書室で校史編纂の仕事をしている最中、書類に奇妙な点を発見する。特待生が毎年一人ずつ姿を消していた。先輩の七重五月に相談するが五月からは厳重に口止めされてしまう。
楓が密かに調べた結果、失踪した女学生のことを学内の誰もが全く覚えていないことが判明する。特待生の先輩、五月、須磨翠璃、御堂絵梨を除いて。
そんな最中、楓の申請していた特待生の認可が下りたと知らされる。そこで、翠璃が口を滑らせた「眠り姫」という言葉。  「眠り姫」に特待生の失踪は関係有るのだろうか?
五月たちは何を知っているのか……そして消えてしまった女学生の行方は? そして、全ての事件は意外な方向へと収束していく……



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